スバルのOEM車「トレジア」は特にスバルらしさも持ち合わせている車。トレジアのポイントとは

トレジアとは2010年から2016年まで販売されていた2代目ラクティスのOEM車です。しかしベースは3代目のヴィッツとなっています。日本のみならず海外でもヨーロッパでスバルの最初のOEM車であるジャスティとの入れ替わりという形で参入されました。ヨーロッパ向けには唯一ディーゼルが用意されていました。OEM車と聞くと個性があまりないのかと感じてしまいますがそんなことはありません。是非トレジアの特徴について見ていきましょう。

実はトヨタが製造

厳密に言うとトヨタの子会社であるダイハツが製造していました。ダイハツがトヨタの傘下となったのはトレジアが販売される2年前の2008年であり、トレジアの前に同じOEM車であるデックスが販売されていましたがそれに続く形で、トレジアも登場することとなりました。これだけ聞くとダイハツの車みたいなものか、と思われるかもしれませんがこのトレジアはOEM供給を受けている車の中でも特別なもので、開発される時からスバルの技術者が関わり販売に向けて製作・改良してきたため、デックスよりもスバルらしさがきちんと表れており、専用パーツが多く用いられているのが特徴です。

例えばボンネット、ヘッドライト、バンパー、フロントフェンダー、グリル、リヤガーニッシュなどが挙げられます。またトレジアの当時の印象的な部分についてはスバルの乗用車の中では唯一の5ナンバーであったことです。スバルといえばインプレッサが昔5ナンバーじゃなかったっけ?と思われるかもしれませんが、ちょうど3ナンバーに変わってしまった後だったのでトレジアが唯一の5ナンバーとなったのでした。

スバルトレジアのグレードは4種類

グレードは4種類あり、それぞれわずかに機能で違いがあります。まずノーマルなものは「i」でこれはラクティスのXに当たるグレードで、同じラクティスに例えるならGに相当するのが「i-L」、Sに相当するのが「i TYPE EURO」トレジア独自のグレードは「i-S」となります。i TYPE EUROは1,500ccと2WDのみとなっています。ラクティスではあったXVパッケージ、L’épiceに当たるものは存在せず、4種類とシンプルな設定になっています。

それぞれ微妙に違いがあり、i以外に標準装備されているのはパドルシフト(1,500ccのみ)、テレスコピックステアリング(ちなみにこれはラクティスにはなし)、クルーズコントロール(1,500ccのFF車のみ)です。あとi-Sとi TYPE EUROのみにあるのがディスチャージヘッドランプです。これはラクティスではG以上のグレードでのメーカーオプションとなっているので、トレジアの方がお得感があります。

ラクティスとの違い

先程のグレードでもありましたが、ラクティスとトレジアには違いが多々あります。と言ってもほとんどが同じであるわけですが、どちらが良い悪いというものでもなく、どちらにもメリット・デメリットがあり自分が欲しい機能は何か整理して、どちらが良いか吟味できると良いと思います。
まず搭乗人数ではラクティスには4名と5名の2種類がありますが、トレジアは5名のみとなっています。

そしてもう一つ大事なのが価格ですが、全体的にトレジアの方が高くなっています。グレードやモデルで違いもあるのですが、平均的に数万円トレジアの方が高いです。そう聞くとラクティスの方が良いかも…と思ってしまいますがちょっと待ちましょう。価格の差となっている機能として、アイドリングストップが考えられます。トレジアは標準装備となっているので、おのずと価格がアップしたものと考えられます。しかしラクティスの場合オプションでアイドリングストップを設定すると、約80,000円かかるのでそう思うと逆にトレジアの方が安いことになります。なのでまず着眼点としてアイドリングストップが欲しいか否かというのが、ラクティスかトレジアかの境目になるかと思います。

そして乗り心地の面で言えば、サスペンションの違いがあります。ラクティスは可もなく不可もなく普通車の足回りといったところですが、スバルはスポーティーな設定が用意されておりこのようなコンパクトト―ルカ―でも走りを楽しみたいという方にトレジアはおすすめできるでしょう。

またトレジアにはなくてラクティスにあるのが福祉車両車です。要は車いす仕様車です。これも結構大きな点であり、このサイズで福祉車両車になるのはコンパクトで便利ですし、お値段的にも高すぎず安過ぎずといったところでありがたい点だと言えます。細かい違いは多々ありますが、以上が大きな違いなのでこの2モデルで悩んでいるのであれば、まずこれらの点でどちらが自分に合っているのか考えてみると良いかと思います。

マイナーチェンジ

6年という短い期間での販売でしたが、4回の改良が行われています。まず1回目は2011年の11月に行われており、ボディーカラーにグレー・メタリックが追加され、フロントドアアッパートリムとインパネにソフトパッドを取り入れ、スーパーUVカットガラスをフロントドアガラスに設定しました。さらに特別仕様車であるSport Limitedも発表されました。

2回目は2012年に行われ、当時の時代の流れとして低燃費で環境に優しい車が求められていました。その流れを汲み、1,500ccのエンジンの燃費をさらに良くしフリクション低減させたことにより平成27年度燃費基準を達成させました。さらにアイドリングストップを1.5i以外の2WD車にも標準装備されることとなり、装備されたモデルは平成27年度燃費基準+10%まで達成させることができました。同時に昨年販売されていた特別仕様車も改良されています。

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次の改良は全車にS-VSC&TRCが標準装備されたのみですが、その次の年の最後となる改良はかなり多くの点で行われています。まずグレード体系が変わり1.3i-S、1.5iL Panorama、1.5iTYPE EUROが廃止となりました。ボディーカラーはグレー・メタリックがなくなりブロンズマイカ・メタリックがi-Lグレードで追加されました。安全面では緊急ブレーキシグナルを全てのグレードに標準装備されることになり、さらに今まで1,300cc、1,500cc、2WDにもアイドリングストップが追加されることになりました。さらに1,300ccでは1NR-FE型がアトキンソンサイクルに変更したことで燃焼効果が高まり、バルブタイミングを最適化しエキゾーストマニホールドを取り入れたことで出力も向上し、低燃費にさらに磨きがかかりました。インテリアではセンターパネルがピアノブラック調に変更され、メーターフードからダッシュボードの付近にまとまりをもたせたことによりシックな雰囲気が出てきました。デザイン面だけではなくフロントガラスにスーパーUVカットに加えてIRカット機能付きガラスも追加されたことにより、車内の快適さがアップしました。

トレジアは特にスバルらしさも持ち合わせている

OEM車と聞くとやはりオリジナリティには劣るのか、ましてやトヨタのモデルからならそのオリジナルのモデルでも良いのではないかと思ってしまいますが、そういうわけではなく中でもトレジアは特にスバルらしさも持ち合わせている良い車でしょう。どうしても比較はしてしまいますが、それぞれ違いと良さがあるのを理解して、選べたら良いかと思います。ちなみに現在中古車では100台以上販売されているか否かといったところかと思われます。価格はそこまで高くはないですが、良い状態で好みのグレードを手に入れようとすると早めにチェックするのをおすすめします。普段使いにはぴったりなのはもちろん、燃費も向上され走りも楽しめるモデルです。

[ライター/A. Oku]