スバル XVの生い立ちと気になるリセールバリューとは?

スバル・レガシィはもともとレオーネの後継車としてデビューしましたが、モデルチェンジごとに徐々に上級モデルへとシフトしてしまったために、スバルではごく普通の乗用車・Cセグメントの部分が空いてしまいました。それを埋めるため、そして世界戦略を担うモデルとして企画されたのが、インプレッサです。

ご承知の通り、インプレッサといえばWRCに参戦したり、その後WRXというスポーツカーが派生したりといったことで、とてもスポーティな印象が強いですが、あくまで基本はスバルの乗用車を担うポジションのモデルでした。

そんなインプレッサをベースにしたクロスオーバーモデルというと、1997年に登場したフォレスターです。初代インプレッサと同じプラットフォームで、ラダーフレームではなくモノコックだったため、カテゴリーとしてはクロスオーバーSUVということになります。フォレスターはその後、インプレッサとは別の車種として、別の方向に進化を遂げていきます。

初代XV


出展:ウィキメディア

そしてその後、3代目インプレッサのクロスオーバーモデルとして2010年にデビューしたのがスバル・インプレッサXVです。
なおXVとはそのままクロスオーバー・ビークルを表すネーミングです。

5ドアのハッチバックをベースに、エクステリア変更、ルーフレール装備、足回りの変更などが施されていました。グレードは1.5iと2.0iで、1.5iは1.5リッター水平対向4気筒DOHCのEL15型、2.0iは2リッター水平対向4気筒SOHCのEJ20型エンジンを搭載。2WDとAWD、ミッションは4ATと5MTが選択できました。またサスペンションは専用のものが選択されましたが、最低地上高はノーマルのインプレッサと同じ高さに抑えられていました。

2012年1月に生産が終了しました。

2代目XV


出展:ウィキメディア

インプレッサXVの生産終了後、半年以上経った2012年9月25日に後継モデルがデビューします。

車名からは「インプレッサ」の文字が消えて「スバル・XV」になりました。最低地上高が200mmと前モデルより高くなっていますが、全高は1550mmに抑えられています。エンジンは2リッター水平対向4気筒DOHCのFB20型で、駆動方式はAWD、ミッションはリニアトロニックCVTのみになりました。

また、グレードは2.0i、2.0i-L、それからEyeSightバージョン2を搭載した2.0i-L EyeSightが用意され、2013年6月24日にはハイブリッドモデルの「XV HYBRID」も選択できるようになりました。これは既存のAWDミッションにハイブリッド用の駆動モーターを一体化したもので、バッテリーにはニッケル水素電池が採用されていました。

2015年10月のマイナーチェンジを経て、2017年5月に3代目にモデルチェンジします。

3代目XV


出展:ウィキメディア

先代モデルに対して全長が15mm、全幅は20mm、ホイールベースが30mm拡大されましたが、最低地上高と全高は同じサイズに収められています。やや都会的で洗練されたスタイルになり、全グレードにEyeSightのバージョン3が標準装備されています。このモデルから「SUBARU GLOBAL PLATFORM」と呼ばれる新しいプラットフォームが採用され、操縦性や衝突安全性が飛躍的に向上しています。

エンジンは1.6リッター水平対向4気筒DOHCのFB16型、2リッター水平対向4気筒DOHCのFB20型が用意されます。このFB20型は形式としては前モデルと同じですが、新たに直噴式の燃料システムが採用されたもので、その他の部分も8割以上の部品が見直され、従来のものとはほぼ別物のエンジンになっています。また、ハイブリッド用のモーターを組み込んだ2.0 e-BOXERエンジンも選択することができます。先代でニッケル水素タイプだったバッテリーは、リチウムイオンタイプになりました。駆動方法はAWD、ミッションはリニアトラックCVTです。

フォレスターとXVの関係は?


出典:ウィキメディア

フォレスターは初代インプレッサから、XVは3代目インプレッサから、ともにクロスオーバーSUVとして派生したモデルです。いわば兄弟のような車種ですが、先に兄が居るためにXVは当然棲み分けというか、被らないように進化しなくてはならなかったと考えられます。フォレスターもXVも現行車種ですが、比較すると「やや大型でオフロード志向の強いフォレスター」と「都会的で取り回しのしやすいXV」というイメージかと思われます。

最低地上高を稼ぎつつもほとんどのタワーパーキングに入れられる1550mmに全高を抑えている、というところにもXVのキャラクターが表れているといえるでしょう。車格や価格帯も、フォレスターに比べてややコンパクトでリーズナブルなXVという位置づけのようです。

XVの中古車価格、またリセール価格は?

XVの中古車の店頭価格は、初代の2010年モデルで30-150万円、2代目の2012年モデルで60-260万円、3代目の2017年モデルでは110万円から300万円といった辺りのようです。

デビューから10年になる初代インプレッサXVはリーズナブルな価格が期待できますが、さすがにタマ数も少ないです。ボリュームゾーンとしては、2012年モデルで140万円から200万円辺り、まだ初回の車検が残っているものも多いと思われる2017年モデルは200万円よりも上と考えてよいでしょう。

新車価格と買い取り価格から計算したリセール価格は、だいたい以下の通りです。
1年後 約65パーセント。
3年後 約45パーセント
5年後 約35パーセント

2019年に発表されたコンセプトモデルなど、スバルはこれからSUVをさらに充実させる方向のようですが、XVはまだモデルチェンジから3年しか経っていないので、当分は新型が出ることもなさそうです。特に突出してリセール価格が高いわけでも、また安いわけでもありませんが、比較的安定した傾向は続くものと思われます。

街中でも使いやすく、またオフロードの走破性も期待できる比較的コンパクトなSUV、スバルXV。いわゆる「遊びグルマ」っぽくない外観も含めて、どこにでも乗っていける実用的なモデルです。普段使いがメインで、たまにアウトドアのレジャーにも、という一般的なユーザーにとって、よい選択だと思われます。

[ライター/小嶋享]